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「まどろみさんが居ないね…亮、どこ行ったか知らない?」
「いやわからない。弁当食べたあと用があるからって出て行った」
「ふーん、そうなんだ…」
いつもと違うみこの行動に美咲は不安になった。
香風のとこかな…3組に行ってみよう。
「香風なら居眠り少女に呼ばれてどっか行ったよー。すっごい怖い顔してた。なに?喧嘩でも始まるの?」
やっぱり…もしかして千歳のことで?いつも冷静なまどろみさんが感情を露わにしてるなんて、ただ事じゃないよ。
すぐに教室に戻って宮子とお嬢に声をかけ、まどろみさんを探すことにした。
亮に声をかけるかどうか迷ったけど、千歳の事を話すなら居ないほうがいいかと思ってやめておいた。
「きっと校舎裏だよ~」
確かに、宮子が言う通り呼び出しと言ったら校舎裏だ。
5限目が始まる5分前。あたしたちは予鈴の音を聞きながら、校舎裏に向かった。
「授業、始まりますね」
「そうだね、どうする?…」
「私は探します」
「うん!あたしもだよ」
「あたいも探すよ!」
宮子、いつものキャラで和ましてくれてありがとうね。
本館の校舎裏から2人の声が聞こえた。やっぱり千歳の話をしている。早く行かなきゃ…。
でも、宮子に腕を掴まれた。
「待って美咲、様子を見よう。まどろみさんがあそこまでしてるんだから、香風と2人で話がしたいんだよ。私たちはまだ出て行かないほうが良い…いつものように覗き見ね」
いつものように?
やっぱり宮子、いつも部室覗いてるんだね。
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