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「ただし、感情的になった集団は、間違った方向に行ったとき、誰もそれに気付かない。相手のことを考える理性を持っておかないといけない。そこを学ばないといかんな」
先生はニコリと笑い、
「君たちはほんの僅かの間に良い仲間になったな。これも私の指導の賜物だな。うん」
『はい!崇め奉ります』
「いや、同好会が出来たときにそう言えと言ったけど、素直に言われると照れるじゃないか」
先生が照れた。なんだか可愛い。
「私はこの件にはあまり口を出さないつもりだ。自分たちで考えて答えを見つけてみろ。行き詰まったらすぐに相談に来い。いつでも話を聞くぞ…」
先生はチラと時計を見た。
「…とは言うものの、そろそろ戻らないとマズいな。まずは1組。お前たちは先に教室に戻って何事も無かったかのように座っておけ。少し遅れて私が戻ったら授業を始める。香風は3組だな…私がついていってやる。トイレで気分が悪くなっていたので保健室に連れて行くと言ってあるから…そうだな、便秘が解消して気分爽快、保健室には行かなかったということにでもしておこうか?」
顔を真っ赤にする香風。
「はあ?やめてくださいっ、恥ずかしいです。そもそもアイドルはトイレ行かないんですよ、そんな状況有り得ないですっ」
「そうなのか?しかしトイレで気分が悪くなったと若僧教師に言ってしまったから、そこは話を変えられないなあ。皆お前がアイドルだと知らないし、便秘でいいだろう」
「そんなの嫌ああああぁ」
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