33人が本棚に入れています
本棚に追加
/472ページ
先生は棒読みで言った。私は笑いながら答えた。
「先生、それパワハラですよ。会社とかで上司が部下に「俺の酒が飲めんのかー」って飲酒を強要するやつですね」
「うむ、さすがは大人の世界をよく見てるな。地下アイドルの活動は楽しいか?」
「はい、楽しいです」
「一度見に行かせて貰うぞ、その時には口パクじゃなくなってたら良いんだがなあ」
「そんなすぐには無理ですよ。あの…コーヒーをいただきます」
先生は新しい豆を轢きコーヒーをドリップしてわたしのマグカップに入れてくれた。
わたしは黙ってコーヒーを飲んだ。ほろ苦いけど、今の気分ならこういう苦みも良いかな。
先生は何も言わない。ただ優しくわたしを見守ってくれている感じがする。
最初のコメントを投稿しよう!