33人が本棚に入れています
本棚に追加
/472ページ
第78話 香風と千歳
香風
〔こんにちは〕
〔北高祭のチケットだけど1枚で良いの?〕
すぐに返事が来た。
千歳
〔1枚だよ〕
香風
〔その日わたしは居ないけど〕
〔ひとりで来るの?〕
千歳
〔そうだよ〕
〔ゆっことかあーちゃんとか西中のみんなが居るでしょ〕
ゆっこやあーちゃんと言うのは、千歳と同じバスケ部だった子だ。
香風
〔そだね、女バス仲間と久々に会えるね〕
もし千歳が友達に会いに来るだけなら、それを阻止する理由は無い。千歳の気持ちを読み取らないといけない。でも、どうしたら良いのか分からない。直球で亮のことを聞いたらどうなるかな…。
千歳
〔チケットはもう有るの?〕
香風
〔月末くらいにかな、まだわたしももらってない〕
千歳
〔わかった〕
香風
〔北高祭は何時くらいに来るの?〕
〔午後からライブだけど、午前中早い時間だったら、わたし少し顔出せるよ〕
〔そしたらその場でチケット渡せるし〕
千歳はわたしが地下アイドルということを知っているから、こう言えば早く来てくれるかも知れない。
千歳
〔無理しなくていいよ〕
〔前日までにどっかで会おうよ〕
〔チケットはその時もらうよ〕
香風
〔うん、そうだね〕
千歳
〔また連絡するね〕
しまった、これでは千歳が何時に来るか分からない。話の持って行き方がまずかった。これでは打つ手が無い。わたしは先生のほうを見た。
最初のコメントを投稿しよう!