第78話 香風と千歳

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第78話 香風と千歳

香風 〔こんにちは〕 〔北高祭のチケットだけど1枚で良いの?〕  すぐに返事が来た。 千歳 〔1枚だよ〕 香風 〔その日わたしは居ないけど〕 〔ひとりで来るの?〕 千歳 〔そうだよ〕 〔ゆっことかあーちゃんとか西中のみんなが居るでしょ〕  ゆっこやあーちゃんと言うのは、千歳と同じバスケ部だった子だ。 香風 〔そだね、女バス仲間と久々に会えるね〕  もし千歳が友達に会いに来るだけなら、それを阻止する理由は無い。千歳の気持ちを読み取らないといけない。でも、どうしたら良いのか分からない。直球で亮のことを聞いたらどうなるかな…。 千歳 〔チケットはもう有るの?〕 香風 〔月末くらいにかな、まだわたしももらってない〕 千歳 〔わかった〕 香風 〔北高祭は何時くらいに来るの?〕 〔午後からライブだけど、午前中早い時間だったら、わたし少し顔出せるよ〕 〔そしたらその場でチケット渡せるし〕  千歳はわたしが地下アイドルということを知っているから、こう言えば早く来てくれるかも知れない。 千歳 〔無理しなくていいよ〕 〔前日までにどっかで会おうよ〕 〔チケットはその時もらうよ〕 香風 〔うん、そうだね〕 千歳 〔また連絡するね〕  しまった、これでは千歳が何時に来るか分からない。話の持って行き方がまずかった。これでは打つ手が無い。わたしは先生のほうを見た。
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