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「亮に対して素直に好きだという感情を出せなくなって、ぎこちなく笑いかけることしかできなくなった。そして溜まったストレスを他のカップルにぶつけた…と言うことかも知れんな。カップルに対しては今も同じような状態なのか?」
「はい…よくカップルの邪魔をした話を自慢気にメッセージアプリで聞かせてくれます」
「なるほどな…まだ感情が不安定か…亮とみこ」
真知子先生は2人のほうを向いて言った。
「北高祭のときイチャイチャしないようにしろ」
『えーっ』
2人は声を揃えて言った。
『嫌です』
まどろみさんは膝の上に座ったまま向きを変え、亮と対面状態になって見つめ合った。人目を気にしないバカップルだ。これでも付き合ってないと言うか。
「なんとっ」
先生は立ち上がり、
「2人っきりにしてやろう。みんな、廊下に出ろ。こっそり覗くんだ」
「先生、こんな時に。いい加減にしてください」
「いや、すまん。深刻な雰囲気をほぐしてやろうと思ってだなあ」
先生は頭を掻きながら言った。
「では、真面目な話だ。香風、千歳をどうする?君自身はどう呪縛から解き放される?着地点は見えたか?聞かせてもらおう」
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