33人が本棚に入れています
本棚に追加
/472ページ
第80話 ブレイクタイム(ちょっと回想)
中間考査の1週間前になったので、今日から部活動・同好会活動は停止期間に入る。束の間の休息時間。
◇ 御前浜美咲 ◇
同好会の立ち上げから今までずっと忙しくしてきたまどろみさんは、たまりにたまった寝不足を解消すべく、授業中も休み時間も眠り続けている。
お弁当の時だけは起きてモソモソと食べている。亮と話すのはこの時間と下校時間だけだ。食べ終わると、
「亮、すまん」
と言ってまた眠りに入っている。
「まどろみさん寝続けてるから寂しいよね~」
宮子がからかうように言う。
「寝顔が可愛いからいいんだよ」
亮はそんなことは気に留めていないと、まどろみさんの寝顔を見る。あたしはそんな2人を写真に撮ってメッセージに送ってあげる。流石に涎が出ているときは撮らないけどね。
北高に入学してひと月ちょっと経ったけど、すごく充実した時間を過ごしている。中学の時のように学校や街の写真を撮り歩くことは減ったけど、同好会でみんなと喋ったり歌の練習をしたり、いい意味であたしの周りの環境は変化した。
最初のコメントを投稿しよう!