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第84話 香風モノローグ
来週水曜日、千歳に会うことになった。
メッセージのやり取りはずっと続いているけど、中学を卒業してからは初めて会う。卒業式以来だから2ヶ月半振り。亮と千歳の仲が壊れてしまってからだと1年3ヶ月ほど。
中学の時はなんとか2人の仲を修復しようとしていたけど卒業と同時に諦めた。2人は違う高校に行くからもう大丈夫、千歳の想いは自然に消えていくと思っていた。
だけど、この学校に入学してからも「亮の様子を教えて」と言われ部室を覗いたりして観察していた。
なんとかなるならそうしたかったけど、亮はまどろみさんと良い仲だ。
だから今はもう亮の話はしないようにしている。誰のためにもならないことだと思ったから。
わたしは今回で決着を付けることにした。
今までは負い目を感じていたけど、今回は言いたいことを真っ直ぐ千歳にぶつける。
キツい言葉で言うかも知れないけど千歳が先に進めるようになるならそれで良い。
キツい言葉で千歳とわたしの仲が壊れてもそれで良い。
わたしが呪縛から解き放たれるならそれで良い。
止まったままの時間なんてもう要らない。
過去に縛られてもがく時間なんてもう要らない。
もしも、うまくいかなくて今の状態がこのまま続くなら…わたしはもう千歳と決別する。
千歳が先に進めなくても、わたしが先に進むために…。
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