第87話 みこと千歳

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第87話 みこと千歳

「千歳、亮のことは諦めて」  香風(このか)は言葉を濁すことなくはっきりと言った。 「もう千歳と亮が昔のようになることは…無いの」  千歳の表情が消えた。 「香風、何言ってるの?やめてよ、嘘だよね。そんなこと信じないよ」 「嘘じゃ無い、亮の気持ちは千歳のほうを向いてない、今も、昔も、これからも。今からでもいいからその事に気づいてよ…」 「はあん?何言ってんの香風、諦めて?なんで…あんた、まさか」  また急に強い風が吹いて木々が揺れ動きざわめいた。
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