33人が本棚に入れています
本棚に追加
/472ページ
第87話 みこと千歳
「千歳、亮のことは諦めて」
香風は言葉を濁すことなくはっきりと言った。
「もう千歳と亮が昔のようになることは…無いの」
千歳の表情が消えた。
「香風、何言ってるの?やめてよ、嘘だよね。そんなこと信じないよ」
「嘘じゃ無い、亮の気持ちは千歳のほうを向いてない、今も、昔も、これからも。今からでもいいからその事に気づいてよ…」
「はあん?何言ってんの香風、諦めて?なんで…あんた、まさか」
また急に強い風が吹いて木々が揺れ動きざわめいた。
最初のコメントを投稿しよう!