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お嬢はいつでも飛び出して行けるような体勢をとり、強張った表情で
「この展開はまずいですね」
と呟いた。
「その女は誰なんだよ。答えろよ」
「微睡みこさんだ」
「あん?名前を聞いてんじゃ無いよ。亮のなんなんだよ」
「大切な人だ」
亮は千歳に優しさを見せない。突き放すという意思を感じる。亮も辛いかも知れない。
雷が近くで鳴り、雨がポツリと落ちてきた。お嬢は雨が降り始めると
「行きましょう。今、千歳さんは感情のコントロールを失いました。危ないです」
と言って、すぐに駆け出した。
「お嬢、待って」
あたしたちは一歩出遅れたけど、すぐに後に続いた。
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