第88話 小糠雨(こぬかあめ)

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「あたしもここで千歳に会ったことが有るよ」 「うん…?」 「千歳が引っ越してきた夏休みに、帰り道がわからなくなって送ってあげたの…覚えてるよね?」 「あー、あの時の…うん、思い出した」  良かった。覚えてないと言われて三段落ちになるかと思った。 「あの時メッセージアプリのID教えたんだけどなあ」 「は?初対面の人からID教えてもらっても怖いだけじゃないですか。もしかして友だち申請待ってたとか…いやいや、まさかですよね」  そのまさかなんですけど。 「さすが美咲さんですね!」 「さすがだな美咲」  やっぱり三段落ちだ。
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