第88話 小糠雨(こぬかあめ)

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「あ、能力者かどうか聞いてない」  あたしは2人を追いかけようとする宮子の首根っこを掴んだ。 「美咲~、離してよ~」  宮子は手をバタバタさせた。どうやったら先生みたいに人の動きを止めることが出来るの?もしかして先生が能力者?!なんてね。 「宮子、あの2人はそっとしといてあげようよ」 「わかったよ~」  先生が戻ってきた。 「無事終わったようだな」 「先生、今日は職員会議無かったんですか?」 「生徒に何か起きるかも知れないのに放っておけるか。会議じゃない!現場だ!」  なんかのドラマのような台詞(セリフ)だ。 「それに以前言ったろ、私を(あが)(たてまつ)り拝んでくれたら、その分の御利益を(さず)けるぞと」 『怪しい宗教みたいで怖いです~』  しとしとと降っていた雨は、やがて静かに止んだ。
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