第25話 バス帰り

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 バス停には部活帰りの生徒が多く居た。   到着したバスには既に他校の生徒が乗っているので、これでは座れない。 「しっかり捕まっとけよ」 「え?そ、そんな…う、うん」  みこは恐る恐る亮の腕に捕まった。 「えーっと、まどろみさん…捕まるのは吊革」 「わ、わかってる。ちょ、ちょっとふざけてみただけだ」  慌てて吊革を掴み、さらに顔が赤くなるみこ。亮は楽しそうに笑っている。  下り坂、混んでいる車内。バスがカーブを曲がるとよろけたみこは亮に身体を支えられた。  …… 「まどろみさん起きて!大丈夫?着いたから降りるよ!」  気が付くとバスの座席に座っていた。 「わ、私はどうなったんだ?」 「まずは降りよう」
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