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夙川駅前のバス停。
多くの乗客が降りていく。
みこは寝ている間に耳から入っていた情報をたどった。
立ったまま寝てしまい、女の人に席を譲られたようだ。
亮がお礼を言っている。
「そう、カーブでよろけたと思ったら寝落ちしたから支えてたんだけど、前に座ってたおばちゃんが席を譲ってくれたんだ」
「そうなのか…ごめん、迷惑かけた。そのおばちゃんは?」
「途中で降りていった。お礼はしっかり言っといたよ」
「ごめん…本当にごめん」
「気にしないでいいよ!家は近いの?心配だし送ろうか?」
「だ、大丈夫だ。しっかり寝たからもう大丈夫だ」
みこは恥ずかしくなって、これ以上亮と居たら顔から火が出ると思った。
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