第25話 バス帰り

4/4
前へ
/472ページ
次へ
 夙川(しゅくがわ)駅前のバス停。  多くの乗客が降りていく。  みこは寝ている間に耳から入っていた情報をたどった。  立ったまま寝てしまい、女の人に席を譲られたようだ。  亮がお礼を言っている。 「そう、カーブでよろけたと思ったら寝落ちしたから支えてたんだけど、前に座ってたおばちゃんが席を譲ってくれたんだ」 「そうなのか…ごめん、迷惑かけた。そのおばちゃんは?」 「途中で降りていった。お礼はしっかり言っといたよ」 「ごめん…本当にごめん」 「気にしないでいいよ!家は近いの?心配だし送ろうか?」 「だ、大丈夫だ。しっかり寝たからもう大丈夫だ」  みこは恥ずかしくなって、これ以上亮と居たら顔から火が出ると思った。
/472ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加