第26話 東山大志

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「やっぱり88鍵が良いです…」  お嬢とまどろみさんが話していた。キーボードの鍵盤数の話のようだ。 「同好会にはほとんど予算が出ないみたいだから、自分で買うことになるかもしれない」 「そうなんですか…家にはグランドピアノがあるから、キーボードを買いたいとか親に言えないし、困りました」 「おはよう、76鍵じゃ物足りないの?」 「おはようございます、亮くん。物足りないと言うより、実際に足りないんです。クラシックだと88鍵必要な曲もあって」 「そうなんだ」  ピアノのことは詳しくないが、きっと弦が6本のギターを5本で弾くようなことなんだろう。  その時、亮の前の席に座っている男子が振り向いた。
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