第26話 東山大志

3/4
前へ
/472ページ
次へ
「電子ピアノの話してんのか?」 「だ、誰ですか?急に振り向くとか…盗み聞きしてたんですか?怖いです」 「は?真後ろで話してたら嫌でも聞こえるだろうが」  お嬢をなだめながらみこは東山に説明した。 「お嬢は男子に耐性が無いんだ。勘弁してやってくれ…で、誰だ、お前は?」  みこの質問に亮が答えた。 「東山大志(たいし)だよ。わかってると思うけどクラスメイトだ」 「そうなのか?で、その東山大志が何の用だ?」 「なんかムカつくな、まあいい。電子ピアノの話をしてたよな?」 「いいえ、キーボードの話はしていましたが電子ピアノの話はしていません!」 「(おんな)じようなもんだろっ」  東山が怒り始めたので、亮が間に入った。 「すまん、お嬢はピアノに関することについては融通が効かないんだ。それよりキーボードの話をしてたのにどうして電子ピアノが出てきたんだ?」 「使ってない電子ピアノがあるからだよ」 「なんですって!亮さん、この男が逃げないように捕まえてください!」 「えええ?逃げないだろ」 「おはよう~、なになに?その男を取り押さえるの?」  タイミング良くか悪くか美咲と宮子が登校して来た。 「えいっ」  美咲は東山の腕を掴んだ。
/472ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加