第27話 ANJI

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「さて顧問からの指示だ」  亮はみこを起こそうとした。 「いや、起こさなくていい。奴は寝てるほうが記憶力が高いらしいからな。さて、生徒会による活動確認が来週の金曜になった。一週間では君たちが(てい)にしているオリジナル曲作りは間に合わない。そこで既存の曲にしてもらうように話はつけた。楽曲を決めて練習しとけ。そこそこ形になってればいい。生徒会に話はつけておいた。心配するな、私も立ち会うから大丈夫だ」 「1曲丸ごとですか?」 「うむ、イントロだけって訳にはいかんだろうな…まあAメロまでで話をつけといてやる」  お嬢が居ないので今日は楽曲を決められない。あたしは亮に聞いた。 「曲決めは明日するの?時間無いけど大丈夫?」 「夜、お嬢とメッセージで相談するよ」 「じゃあ、同好会のメッセージグループを作ろう」  いつの間にか起きたみこはそう言うと、すぐにグループを作った。 「お嬢には招待メッセージを送っておく」  みこは亮とお嬢が2人だけで個別にメッセージをするのが嫌だった。  何だろうこの感覚。最近、今までに無かった感情が出てくる。  自分でコントロール出来ないその感情にみこは戸惑った。 ※注 ANJIはサイモン&ガーファンクルのポール・サイモン氏の演奏で有名になったギター曲。作曲者はデイビー・グレアム氏。 昔、ギター少年の多くはこの曲に憧れ練習することが多かった。 0865c445-cecf-480b-b1d4-78d07a151147
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