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第28話 電子ピアノを担げ
同好会が終わり、電子ピアノを取りに行くため亮とみこはバスで帰った。
「今日はいっぱい寝たし、大丈夫だから」
「授業中、休み時間、弁当の後、同好会、よく寝てたな」
「昨日みたいな迷惑かけたくないし、もっと亮と喋りたい」
今日もバスは座れない。みこはしっかり吊革に捕まった。カーブでバスが揺れ亮と身体が触れる度に鼓動が早まる。
山裾のバス停で降り東山の家に向かう。
「これなんだけど」
玄関まで運ばれていた本体は思っていたより大きく重かった。
紙袋に入れられた電源コードやペダルをみこが持ち、気泡緩衝材(プチプチ)で包んでもらった本体を亮が担いだ
「重い。どうやって学校まで運ぼう。いやそれより家まで運ぶのも大変だな」
「うん…大丈夫か亮?鞄も私が持つよ。休憩を挟みながら行こう」
近くの甲陽園駅に向かう2人。そこから2駅乗れば昨日バスを降りた場所までは行ける。
その時、背後から近付いてきた車がクラクションを鳴らした。
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