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「おーい何やってんだ」
真知子先生だ。
「先生こそ何やってるんですか?家この辺なんですか?」
「いや、ホームセンターで買い物してから飯を食ってた。その重そうなのはなんだ?」
「借り物の電子ピアノです」
「なに?じゃあキーボードはどうするんだ?まさか私に持って帰れと言うんじゃないだろうな。せっかく友達の荷物が片付い…」
「キーボードも使います!」
亮はあわてて先生の言葉を遮った。
そうだよな、せっかく元カレの荷物が片付いたんだから返して欲しく無いよな。
「それは部室に置くのか?」
「はい」
「そうか、車に載せろ。今から学校に戻るから持って行ってやる」
「じゃあ我々も行きます」
「下校時間を過ぎてるし生徒を連れ戻る訳にはいかんよ。ついでだから部室まで運んどいてやる」
「ついで…?」
トランクに電子ピアノを入れるとき、車内をちらと見るとアウトドア用簡易ベッドと書かれた箱が有った。
なるほど、ついでだなあ。
「ではお願いします。このまま車の中に置いといてくだされば、明日我々で運びます」
「うむ、適当にしとくよ。気をつけて帰れよ」
真知子先生は去って行った。
「重かったから助かったね」
「助かった~、しかし…」
朝と放課後のメッセージもそうだったが、今もあまりにもタイミングが良すぎる。怖っ。
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