第28話 電子ピアノを担げ

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「どうした?亮?」 「いや、何でもない。腹減った、そこのスーパーのレストスペースでなんか食べていかない?」 「うん!」  2人は阪急オアシスと書かれたスーパーに入った。  みこはレストスペース(イートイン)が初めてだった。 「ここは店で買った物を食べて良い場所なのか?」 「そうだよ、何食べる?俺はおにぎり」 「私はパンにするよ」  飲み物も買ってレストスペースに座った。 「真知子先生、生徒会に強気だけど大丈夫かな」 「生徒会にもだけど学校にも強気だよな。あの校内放送は面白すぎる」 「うん…大丈夫かな、同好会が無くなったら嫌だ。せっかく出来た友達と居場所だから」 「大丈夫だよ、生徒会が納得すれば良いんだし、先生には秘策があるようだし…とにかくしっかり練習しよう」 「うん!」  スーパーを出て甲陽園駅から電車に乗った。  仕事帰りの人々とは逆方向。()いてる電車に並んで座る。  喋るときの緊張感は減ってきた。でも今までに経験したこと無い幸福感や高揚感が増して、みこの戸惑いは消えない。
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