0人が本棚に入れています
本棚に追加
その時、電光石火の如き光と音が頭上に轟いた。
――バリバリバリバリッ。
余の人生終了のお知らせか。
何度も転生を繰り返した割に、何とも味気ない結末であった。
やはり人を呪わば穴二つじゃ。
もし来世があるのなら、どんな形であれ、またあのあざと可愛い姫に出逢いたいものじゃ。
そんな願いも虚しく、意識が遠のいていく……
「3番テーブル、かぐやさん指名入りまーす」
爆音の音楽とアナウンスで目が覚める。
仕事疲れでこんな場所で寝入ってしまうとは。
「こんばんは~。美加登(みかど)さ~ん、今日も来てくれたんだぁ。ありがとぉ~」
そう、余はとてつもない時空を超えて20XX年に転生したのだ。
「いつもありがとぉ。これで田舎の両親に仕送りできるよぉ」
うるうるした目でこちらを見てくる。
俺の嫁、いとをかし。
そう、俺が彼女を指名(選んだ)したのは天命じゃ。
最初のコメントを投稿しよう!