――しとしと、と――

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 防弾ガラスでできた綺麗な瞳に、雨があたる。  あたる度、ぴたんッ。ぴたんッ。と鼓膜のセンサーにちいさく雨粒の弾ける音が聞こえてくる。  それ以外、ここは静かだ。  既にボディから脊椎ユニットごと切り離され、私の【ボディだった】ものは、きっと今ごろ解体処理されていることでしょう。使えるパーツだけが再利用され、そして新たなボディが造られ、新たな【わたしの】頭部が接続される。  私は、アンドロイド【女性タイプ】識別番号『b2092』と言う。  
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