お兄ちゃんの手

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そして、私の家らしき所へ着いた。 「兄ちゃん!兄ちゃん!」 私はひたすら叫んだ。 すると何やら黒いものが動いた。 ぴく、ぴくと、動いていた。 「兄ちゃんか!?」 私はそう叫んでその黒いものへ近付いた。 頭らしきものが、頷いていたからこれが兄ちゃんだろうと思った。 「水が飲みたい」 そう言っているような気がした。 その黒いものをおぶった。 感触は、まるで干し柿のようだった。 暖かかった手も、ぐじゅぐじゅになっていて思い切り握ったら潰れそうだった。 今考えると、当時4歳の私が年の離れた兄をおぶることなど出来たのだろうか。 でも、その黒いものをおぶって私は近くの川へ行った。
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