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「雨雨雨……やまないな!?やむ気配ないな!?よっしゃあああ!」
いつの間に建築したのか、お洒落な一軒家。
その中の――溢れんばかりにゴミと衣服が散らかった部屋の中心、ベッドの上でぼりぼりとお菓子を食べながら織姫は言った。窓の外を見て、拳を突き上げている。
「今年もこれで乗り切れるぜ私ぃ!いやー、今更あのクッソ重い十二単来て、今更あの男に会いに行くとかたるいわ。あいつスマホどころかガラケーも持ってないからメールもできねーんだもん。もうとっくに愛想とかつきてっし」
灰色のジャージ姿、髪の毛は乱雑に一つにまとめあげている。
そこには、かつての“おしとやかで美しい着物姿の姫君”は見る影もない。
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