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大きな買い物袋がガサガサと音を立てている。
人間界には無駄に可愛い装飾や凝った造りの製品があり、つい買いすぎてしまうのホノンの悪い癖だ。
買い物のお金はホノンの薬局・雑貨店から得た収入で賄ってはいるが、いざとなれば具体化魔法で不足を補えば、と考えているのだろう。
ただし、
「それは犯罪だよ。偽札だからダメ」
と冷ややかに言ったシャナの言葉を思い出して自制はしているが。
「神楽、今日の夕飯はどうす……神楽?」
神楽が立ち止まり、前方の排水溝周辺を凝視しているのに気づいてホノンもそちらに顔を向ける。
だが、それより早く神楽が駆け出した。
神楽は見ていた排水溝の中のモノを両手で引き寄せた。
「やっぱり……!ホノンさん、ヒトだよ。ヒトが倒れてる!」
排水溝の中で流れを堰き止めていた黒い物体。
神楽が引き上げると顔が表れた。
全体に濡れ汚れていて髪もべっとりと頬に張り付いてはいるが、ハッキリとわかった。
「この子……耳がある……!」
神楽とホノンは目を合わせ、同時に頷いた。
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