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「健人!お母さん買い物行くけどどうする?」
「今日はいいや。なんかお菓子買ってきて」
「はいはい。お父さん、健人の宿題見てあげてちょうだいね」
「一人でできるから大丈夫だもん」
「おう、気をつけてな」
「行ってきまーす」
いつも通りにスーパーへ買い物にいく母を見送り、宿題を広げた。
「健人ももう5年生だもんな。大きくなったな」
出張で家にいることが少なかった父との、久しぶりの会話だった。
「父さんが仕事忙しいからでしょ」
「そうだな。寂しかったか?」
「別に。父さんいなくても母さんがいるし」
「そんな事言うなよ。俺はすごく会いたかったんだぞ?」
「寂しかったんだ」
「そりゃあな。俺のたった一人の息子なんだから」
「じゃあ父さんは」
___僕のこと見守っててくれる?___
僕の言葉は、声にならなかった。
ガクン、と突然地面が揺れた。
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