これはもしや・・・

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これはもしや・・・

その数日後のことだった 職場の病院に とある老健施設から 医師派遣の依頼相談があった 俺はもう目一杯 働いてるので できれば断りたかったのだが なぜか俺の名指しで依頼が来ている 夕方 少し早めに職場を出て それまで その施設を担当していた 医師から直接 話を聞くことにした その施設はリゾートホテルのような 品のいい風格のある 瀟洒(しょうしゃ)な建物で 海の見える丘の上に白く輝いていた 「ようこそ!いらして下さいました」 微笑む老医師は俺の大学の大先輩で 大学の地方の同窓会で見知っていた 今年88歳で傘寿を迎えるにあたり 仕事をやめて趣味に生きたいとの事 どんなご趣味で?と尋ねて俺は仰天 小説を書きたいのだと老医師は言う カメ先生の名で皆に親しまれている 志賀 亀司(かめじ)先生 俺はドキドキした 
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