人間

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 人間はなんて醜い生き物なのだろう。何故こんなにも醜くなってしまったのだろう。  原始時代のときはよかった。それでこそ、人間の生活であった。狩りをしたり、果物を採ったりして食欲をみたす。日が落ちたら睡眠をとる。昼のうちは性交をする。ただそれだけである。けれども、3大欲求は満たしているし、何より原始人の人生は短いのだ。小さな幸せが積み重なっていくことで、人生最高だったと思えるわけだ。だれでも。  けれど現代人は違う。性交は知らないが、ほとんどの人間は3大欲求が当たり前だと思っている。つまり、プラスアルファで何かが必要なのである。かけているピースを埋めなければいけないのだ。例えば、本、音楽、スポーツ、知識、ゲームなどなんでもいいのだ。それがあって、初めて人間となる。それらは生きにくくなった世の中でなんとか生きているわれらを支えてくれる。  だと言うのに、今の若者は支えがないのである。支えというのはただ好きという感情からなるものではない。将来を変えられる程度には大きなものなのである。それがない若者は意味もなく騒いで過ごすか、現実やネットで人を叩きのめすか、人生を時間に任せて終えるか。その程度だ。  果たしてこれは真の人間の姿だろうか。原始人の頃と変わらないだろうか。人は便利を手に入れたことで世の中を生きにくくしてしまった。けれど、人間としての本質はまだ残っているはずだ。小さな幸せを噛み締める、それだけでいいはずだ。    ということを書く部活終わりの男子高校生であった。
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