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あえぐ彼女の口からシーツを引っ張りだし、呼吸を許さず唇を塞いだ。自分から舌を絡めると、彼女の舌が応える。限界をとうに超えているだろうに、それでも彼女はおれが欲しいのだ。
おれだって同じだ。
香枝の、すべてが欲しい。
愛情。将来。めくるめく希望。みんなみんな――
ことが終わると。彼女が、自分からおれを抱きしめに来てくれたのが、おれには嬉しかった。たとえ、事後で意識が朦朧としていても。しっかりと、彼女のおれに対する愛情が、感じられた。
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