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「あたし、いつも……、清司に抱かれるとわけわかんなくなっちゃうの。それが、怖いのに……」
「香枝はそういう素直なところも可愛いよな」
「んもう! 『可愛い』って言葉使ってごまかそうとしない!」振り返りざまにきっ、と睨みつける。――その顔がそそることを彼女は知らない。
「怒った顔も可愛いよな」おれは突き刺さる視線を受け流し、「――で。おれはどうすればいいわけ?」
「うん?」とペットボトルの蓋を閉めながら香枝。
彼女を見据え、けろっとおれは言ってのける。
「つまり、香枝がいったあとでおれもいきたい場合は、そんな香枝の姿を見てむらむらしながらおれはしごけばいいわけ?」
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