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そんな願望など叶えられるはずがないから。香枝は、仕事中毒といえるほどの女だ。いますぐにというのは現実的ではない。だが、おれは。
「――いつか。必ず、な……」
おれは彼女に近づくと。そっとその小さな手を握り、静かに、歩き始めたのだった。
その夜。いくら彼女が「もう無理」と言っても、おれは彼女のなかから出て行かなかった。
汗ばむ背骨に舌を這わせ。臀部に欲望を叩きつけ。――彼女の住むアパートは、壁が薄いから、きっと隣人に聞こえてしまうだろうに。
叫ぶ彼女の口にシーツの布を突っ込み、上体を起こし、激しく求めた。
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