1話

2/2
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
やっぱり首元に絆創膏を貼ってると目立つな。と朝貼ったばかりの絆創膏を触りながら考えていた。首元を怪我するなんて滅多にないもんな。溜息がこぼれそうになるのを飲み込み歩いていると後ろから俺の名前を叫ぶ声がした。振り返ると、俺の名前を呼んだいた人物の顔が間近にあり驚いて1歩下がるがそいつはそのまま抱きついてきた。 「速水(はやみ)先輩!おはようございます!」 後ろに倒れないようになんとか踏ん張り挨拶をかえす。 「いきなり抱きつくなよ。びっくりするだろうが」 「すんません...。でも速水先輩に会えると嬉しくって」 後輩にあるはずのない犬の耳と尻尾が見える。しかも、ブンブンと嬉しそうに高速で揺れている尻尾が。後輩こと、犬神宏人(いぬがみひろと)のふわふわとした髪をなで体を離す。 「速水先輩!授業終わったあと暇ですか?」 「いや、今日はバイトがあって。」 「えー。最近付き合い悪いですよー。寂しいです。」 下唇をつきだして明らかに拗ねている。耳が垂れているようにみえる。可愛そうだとは思うが住人が1人増えてしまったため、バイトの日にちを増やさざるおえないのだ。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!