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窓からはいってくる蝉の声を聞きながら、俺は朝食を作っていた。食パンが焼きあがったところで少し前に焼いておいた目玉焼きとソーセージを皿に盛り付けて机へと運ぶ。そして、まだベッドで気持ちよさそうに寝ているあいつを叩き起す。
「いつまで寝てんだよ!さっさと起きろ!」
「うー...」
怒鳴っても身体を揺すっても全く起きないベッドの上のやつを最後の手段として蹴り落とした。
「痛っ!ちょっとなにするのさ!!!」
「お前が全然起きねぇからだろうが!」
「しょうがないでしょ!朝は苦手なんだから!」
俺は溜息こぼしながらやっと朝食を食べ始めることが出来た。
「よくそんな苦いの飲めるよね」
そいつはべっと舌を出して嫌そうな顔をしながら言った。
「珈琲ぐらい慣れたら飲めるよ。砂糖だってあるし。」
「っていうかこの部屋暑すぎない?クーラーつけてよ」
「朝からつけてたら電気代が高くなるんだよ。もう少し我慢してくれ。」
Tシャツをパタパタと扇ぎいかにも暑いですアピールをしてくる。仕方がないだろうバイトで2人分もの代金なんてただの大学生である俺には大変なのだから。
「言う事聞かねぇと。朝飯やらねぇぞ」
「それはダメ!」
そういえば時間は大丈夫かと時計を見ると家を出ないといけない時間が刻一刻と迫っていて俺は慌てて朝食を流し込み出かける準備にとりかかった。準備を終えると、俺は未だにベッドに腰をかけている奴の目の前に膝をついた。
「ほら、遅刻しそうだからさっさとしろよ」
俺はTシャツをずらし首をさしだした。そいつは小さくいただきますと言った後俺の首筋に噛み付いた。
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