決別の決定打!

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決別の決定打!

高校にもそれなりに慣れてきた頃、僕はふと思った それは小遣いの事だ 僕が高校に進学に当たって、給食は無いので弁当を買う事になったけど、小遣いが3000円では無理がある だから母親に食事代含めて小遣いを要求したら、あっさりと月1万円程を出してくれた あんなに金にがめつい母親が、だ まぁ、欲を言えばもう少し欲しかったが仕方無いし、それなりの金額を貰えるので深くは考えなかった ・・・もう、異常は出ていたのに この頃には、母親の外出は増えていて夜中に帰宅や数日家を空ける事も出て来た かなり怪しいとは思っていたけど、妹達に聞いても「友達と遊んでいる」としか言わないし、母親も同じく友達の家に行っているとしか言わなかった 小遣いや学費は滞っていないので何も言わなかったが、正直男を疑っていた ただ、妹達も同じ事を言うので深くは追求せずにいた 僕としても視界に入らない方が過ごしやすいしw 祖父母も同じ様に詳細は分からず、ただただ時間は過ぎていった 高校に通い始めて半年程、工業高校なのもあり資格取得も始まった 国家資格や民間資格、商業系や技術系からさまざまな資格があり、受験料もピンきりだった 僕は特に明確な目標は無かったので、担任に勧められた資格に挑戦していた 例えば危険物取扱者乙種や日商簿記だ それ以外には電気工事士2種やらアーク溶接など、難しい上に講習期間も数ヶ月かかる様な資格もあった けど、それらは難しい上に受験料も高く、また講習期間に使用する資材費もかかり、中々手を出しにくかった その点、簿記や危険物は筆記のみで合否判断なので、すぐに受験を決めた 受験費用も大体4、5000円で受けられるのも即決の理由だった ・・・溶接とか一回1、2万円もかかるし、合格率もそこそこでリスクが、ね? そんな訳で、その受験費用を数日ぶりに帰って来た母親に要求した そうしたら案の定「お金が無い」だった 仕事もせず義務も果たさず、日々遊び歩いている人間が子供の足まで引っ張る そんな積み重なった怒りも有ってか、すぐに口論に発展した 母親も自分は病人だ、と一切非を認めずに精神疾患者の独自理論で喚く 流石に僕も頭に血が上り、肩を軽く突き飛ばした 母親は少し後ろの低い台に、尻餅をつく形でよろめいた その後は前と同じく大騒ぎ すぐに警察に通報して、殺されるだなんだと叫ぶ始末 僕は冷めた目で見るしか無かった 通報から数分、下の駐車場を見るとワンボックスな車両が停まり、中から防刃チョッキ装備の警官が5、6名上がって来た 僕としてはあまりにも厳重過ぎて笑いそうだったけど、ノックをされたので扉を開けて「どうぞ」とだけ言った 一目で察したんだろうな 冷めた真顔で警察に対応する高校生と、後ろでひたすら大騒ぎして支離滅裂な母親 だけども通報した物勝ちな世の中 両成敗どころか僕が完全に悪い状態で、したり顔で「大人になりなさい」だ 僕がどんなに精神疾患者で母親が異常と説明しても、警察は「今回は厳重注意、次は無い」としか言わない 母親は悲劇のヒロインか、僕に向かって「やっぱりあんたはヤクザの子供、悪魔の子供」と大騒ぎ こんな世の中、クソの塊 その時の悔しさと、腹立たしさと、理不尽さには、心底絶望した この日から僕は母親の事をゴミだと思う様になっていった 社会の役にも立たず、自分の子供の足を引っ張り、挙げ句「悪魔だ」と喚く こんな奴、社会に必要が無いでしょ? そして僕は、卒業まで堪え忍ぶ覚悟を決めた
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