瞳の中の彼女

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ボクの思った通りだ。
やっぱり彼女は落ち込んだ顔をしているより
笑顔の方がよく似合う。

彼女は愛犬を亡くしたばかりでひどく落ち込んでいる。でもボクはそんな彼女に笑っていて欲しいと、
心の底からそう思った。

彼女はボクを選んでくれた。でもボクは、彼女がボクを選ぶより、ずっと前に彼女を選んでいた。

初めてボクのショーウィンドウの前のベンチに座った時からボクのたった十数年しかない生命を彼女と過ごしたいと思っていた。

人がペットの犬を選ぶように、犬だって飼い主にしたい人を選ぶ。幸せにしたい人を選ぶ。

ボクが彼女を選んだ理由。
それは、ボクの瞳の中に彼女が悲しむ姿が映ったから。