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土曜日、もう特訓の必要はなくなったにもかかわらず、悠真は未緒宅を訪れた。
「来てくれると思ってた」
「ゴルフに行っちゃってたら、どうしようと思いましたよ」
紅茶を飲み、お菓子をつまみ、演劇の話をし、二人とも照れ臭くってなかなか言葉にできなかった話題をようやく口にした。
「あの、ね。舞台は大成功だったわけだし、これはもう約束どおり、だね……」
「え、えと、あの。い、いいんですか……?」
『文化祭の舞台が大成功したら、恋人として付き合おうよ』
どちらも、未緒のこの言葉を忘れてはいなかった。
「じゃあ、恋人として付き合ってくれる? 悠真くん」
「は、はい。喜んで!」
「だったら、もう僕に対して敬語はよしてよね。対等な関係でいたいから」
「はい、未緒さん」
「はい、じゃなくって、うん、でしょう」
「う、うん。解った」
これで、晴れて俺と未緒さんは恋人同士になったんだ!
明るい表情の悠真に、未緒は次の問題を持ち掛けて来た。
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