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由宇は自分のことをあまり男とか女とか意識してなかったけど、イアンは男の子だし、女の子から人気あるからこのことは秘密にしたほうがいいと思った。
でもそのうち学校で由宇とイアンはからかわれるようになった。
男同士で気持ち悪い、って。
恥ずかしい気持ちと、なぜいけないのという不思議な気持ちで苦しくなった。
由宇は学校に行くのが嫌になった。
カウンセラー通いの他は家庭教師に勉強を習う毎日が続いた。
カウンセラーは由宇に素直に生きていいんだって教えてくれた。
パパとママも由宇が女の子として生きていきたいならそれでいいって。
家庭教師も学校の教科の他に、フェミニズムとかジェンダー論って学問の存在を教えてくれた。
周りの環境のおかげで、由宇は他の子より考え方が大人になったんだと思う。
パパが東京の大学に転職した時、日本では女の子として生きることに決めた。
理解ある両親でよかったと思う。
本当に由宇は恵まれてる。
ママは元銀座のホステスで、いろんな人間をみてきた人だ。
今後まわりの反応は大変かもしれないけど、由宇であることにはかわりはないからって勇気をくれた。
実は女の子が欲しかったのよ、って喜んでた。
日本に帰る頃には、もともと肩ぐらいまであった髪が胸の下くらいまでに伸びてて、見た目は完全にキュートな女の子になってた。
小5で東京の小学校に転入した日もみんなの視線を釘付けにした。
超可愛い子が転入してきた、って大変だった。
女の子は由宇が身につけてるもの全てに興味を持って、憧れの眼差しで由宇を見てた。
男の子は話しかけると真っ赤になって、もじもじするか嫌われない程度に意地悪をするのだ。
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