1人が本棚に入れています
本棚に追加
「そこ由宇の隣だよ。嬉しい?」
この子は俺を翻弄する気か?
ああ、覗きこむその顔、たまらない。
なんて小悪魔なんだ。
「由宇、ふざけんなよてめえ。雪成を困らせんな」
賢が強い言い方で由宇をとがめる。
女の子にその言い方はかわいそうじゃないか?
「あぁん、賢こわい~。雪成くん助けて」
うわっ。
腕にしがみつかれて由宇の柔らかさが伝わってくる。
やべぇ。マジどうにかなりそうだ。
この塾では勉強なんてできない自信がある。
「雪成くん、かわいい」
上目遣いで見られる。
あぁ……なんなんだこの子。
ここはキャバクラか?
本当に中2なのか?
男心がわかりすぎてるだろ。
「由宇、いい加減にしろよな!」
賢はやきもちからなのか、強い口調で由宇を責める。
こいつらつきあってるのか ?
由宇はまったく気にしていない様子で、俺にべったりくっついたままだ。
う~ん、心地よい。
賢が由宇を俺から引き剥がすように、由宇の手を掴んで引っ張る。
ばか、余計なことすんな。
最初のコメントを投稿しよう!