恋する学習塾

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「そこ由宇の隣だよ。嬉しい?」 この子は俺を翻弄する気か? ああ、覗きこむその顔、たまらない。 なんて小悪魔なんだ。 「由宇、ふざけんなよてめえ。雪成を困らせんな」 賢が強い言い方で由宇をとがめる。 女の子にその言い方はかわいそうじゃないか? 「あぁん、賢こわい~。雪成くん助けて」 うわっ。 腕にしがみつかれて由宇の柔らかさが伝わってくる。 やべぇ。マジどうにかなりそうだ。 この塾では勉強なんてできない自信がある。 「雪成くん、かわいい」 上目遣いで見られる。 あぁ……なんなんだこの子。 ここはキャバクラか? 本当に中2なのか? 男心がわかりすぎてるだろ。 「由宇、いい加減にしろよな!」 賢はやきもちからなのか、強い口調で由宇を責める。 こいつらつきあってるのか ? 由宇はまったく気にしていない様子で、俺にべったりくっついたままだ。 う~ん、心地よい。 賢が由宇を俺から引き剥がすように、由宇の手を掴んで引っ張る。 ばか、余計なことすんな。
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