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「悪夢」野乃花
「…!」
夢、か。
「はあ…」
嫌な夢だったな。
「野乃花ちゃん」
上から声が落とされた。
「だれ?カズオ?」
男性の声。ちょっと高めだから、カズオかな?
「…何言ってるの」
は...?コウ...???
「ああ。そうか...」
私達、こいつに閉じ込められたんだ。
「は、早く出してよ…」
絞りだしたかのような声で聞いた。
「僕のこと、忘れてのうのうと生きといて、それはないよ」
やっと暗闇に目が慣れてきた。ここは、廊下だ。
月明かりに照らされて、はいつくばっている私の顔の隣にあるものが、
...光った。
「ひ、ひいぃ!!」
「許せないな~?」
照らされたソレは、ゆっくりと、
震える私に突き立てられ、その瞬間、私が見た、最後の景色は。
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