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「あれはなんだ!」
「こっちに来るぞ!」
「逃げろ!」
街の人々からして、スタジアムから出現し、街を破壊しながら進むバケガニ・バーザムの姿は、旧世紀に流行したという、怪獣映画からそれに見えた事だろう。
だが、逃げ惑う人々には、ビルからビルへ飛び移りなかまら、バケガニ・バーザムの追撃を逃れんとする月の姿までは、解らなかった。
『それ!それそれそれ!!』
バケガニ・バーザムが、背中のクローユニットを伸ばし、月を狙う。
直前、月は他のビルに飛び移った為、無事だった。
が、クローユニットが直撃したビルは破壊されてしまった。
『何時まで逃げられるかしら?アーハハハ!』
精神感応により、ハイになったガニメデスの汚い笑い声が響く。
その様は、怪物を従えた恐るべき魔女のようであった。
「まずい、ですね………」
月も、この状況を良くは思っていなかった。
MSに追いかけ回されているというのもあるが、このままでは街が破壊され、より多くの犠牲者が出てしまう。
だが、生身の月には、MSに対抗する手段は………。
「………来なさい!「白夜」ッ!」
………あった。
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