Gの影忍-luna.-

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「あ、あれは何だ!?」 まず、それに気付いたのは逃げ惑う大衆だった。 コロニーの夜空に何かが煌めいたかと思うと、その正体を見た。 12abdc71-39f2-4f8e-a36c-a549f7409214 それは、地上で暴れているバケガニ・バーザムと同じ、MSであった。 ただ違うのは、ベース機の都合上、腰のない特異なシルエットをしているバケガニ・バーザムと違い、五体満足の人間らしい、スラリとしたシルエットをしている事。 コロニーの慣性の関係、中心部が無重力になる事を利用して、空中に逆立ちをしている姿も相まって、スタイリッシュな印象を与える。 その装甲は、戦闘兵器たるMSに似合わぬ、透明感のある白く美しい、光沢を放つ物。 見ようによっては、それは古代日本の花嫁が着る「白無垢」を、MSが着ているかのように見えた。 そして何より人々の目を惹いたのは、その特徴的な頭部。 そう、それはまさしく、宇宙世紀におけるMSの中でも、ある時は戦乱を巻き起こし、ある時は世界に平穏をもたらした、「最強」の代名詞。 「あれは、ガンダム!?」 そう、「ガンダム」。 アルカディアの夜空に、月を背にして現れたそれは、あからさまにガンダムなのだ! 「いいーーやぁっ!!」 月が、その白きガンダム向けて飛び上がる。 同時にそのガンダムも、コロニーの回転により生まれる無重力空間から、月めがけて飛来する。 両者が、空中で交差する。 白きガンダムは胸部のコックピットハッチを開き、飛来した月を己の中に招き入れる。 月が、リニアシートに飛び込むように座る。 そして、操縦桿を握り、全天周囲モニターが起動する。 人機、一体。 今まさに、月と白きガンダム。 MS忍者(モビルにんじゃ)・「デルタガンダム・白夜(ビャクヤ)」は、一つの巨大な力となった!
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