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ズゥーン………
アルカディアの地に、白いヤツが降り立った。
対峙する、白と赤。
その、アムロ・レイとシャア・アズナブルめいた二体のMSの対峙は、アルカディアの人々の息を飲ませる。
「ガンダムだって?ホホホホ、笑わせる………」
ガンダムを相手にするなら、大抵のパイロットというのは震え上がるものだ。
だが、このガニメデスの場合はそうはいかなかった。
「そんなハッタリが通じると思うなァ!!」
バケガニ・バーザムが、背中のクローを白夜目掛けて射出する。
クローの先端からは、高い出力のビーム刃が展開している。
ガンダリウムγをも切り裂く二つの刃が、さながら鎖鎌のように白夜に迫る。
「やあっ!」
「何ッ!?」
だが白夜は、クローが届くよりも早く、空に飛び上がって回避してみせた。
バーニアの類いは使っていない。
忍者用に改造されたMS忍者モビルニンジャだからこそ出来る、超人的芸当である。
「最後の時です!ガニメデス!」
白夜が、バックパックに射した刀を抜く。
それは、ガンダリウムγを鍛え上げた実体剣。
ビーム兵器全盛期である今においては、いくらガンダリウムγといえども、もはや時代遅れの武装だ。
「実体剣だと!?そんな物でこのバケガニ・バーザムが………!」
そんな物で、自分のバケガニ・バーザムは倒せない。
絶対の自身の元、ガニメデスはクローを戻す事も、避けようともしなかった。
………そして、その慢心が、ガニメデスの運命を決定付けた。
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