省エネ男子はケダモノだった

12/13
前へ
/13ページ
次へ
「は……あぁっ! ゃあんっ!」  奥まで入ってきたのも衝撃だったのに、抜けていくのさえ凄い。それなのに、また押し込まれて抜かれるのが凄い。何て言うか凄い。言葉にならない。  前にした時、現実はこんなもんかって思ってたのに全然違う。私が知ってるセックスと違う。声が勝手に止まらなくなる。そして、奥から溢れてくるものも止まらない。そのせいで国生君の動きがスムーズになってるのを感じる。 「美穂、好き……すっげー好き……」 「ぁっ……っ、ひあっ!」  腰を動かしながら譫言みたいに国生君が言う。  何これ。何この熱量。デレなの?  その動きが少しずつ速くなってる気がして、それどころじゃないのに。 「あっ! ああぁんっ!」  気のせいじゃなかった。激しくなってる。  パンパンと音を立てて打ち付けられる度に考えられなくなる。あの国生君とこんなことしてるなんて信じられないけど、私の乏しい想像力ではここまでリアルなはずがない。  怖いくらいに気持ち良くて、まるで果てがないみたいにどんどん気持ち良くなる。  ううん、果てはあった。風船が膨らむのだって限界がある。 「ゃっ、あっ! イっちゃ……」  国生君のでイきそうになってる。膨らみきった風船が弾けそう。中でイクなんて今までなかったのに、その時が近付いてるのがわかる。 「俺も、イクから……一緒にっ!」 「あっ! あっ! いっ、ぁあああぁっ!」  ぐっと突き込まれて、ぎゅっと抱き締められて、体の奥でその脈動を感じた気がした。  一つになってる、そんな充足感を初めて感じた気がした。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

535人が本棚に入れています
本棚に追加