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『売れ』と聞こえ一瞬、返事が遅れたのは、５階で聞いた時の声よりも１オクターブ低音で威圧感があったからだ。
「煌弥が健太が乗る白のハイエースを購入したんだ。白が嫌なら黒に変えても良いらしいぞ」
父さんの言葉を聞いて、やっと意味が分かった俺が『白で良い』と言うと、煌牙の父親は立ち上がってリビングを出て行った。
「煌蓮としての健太専用の車だ。多分、俺が白のベンツだから合わせたんだろうな」
黒のアルファードは、いつかは手放す気持ちではいた。
ただ、新しい車を買う事が出来なかったから、祖父ちゃんに甘えて乗っていただけ。
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