もう会えない

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もう会えない

こんな夢を見たことがある。 小さい頃飼ってたハムスターのチィちゃんが私より大きくなって、ふかふかの背中に身体をぼふっと埋めた夢。 真っ白でふわふわの大きなお腹に抱きついて、チィちゃんもちっちゃな手で私を抱きしめてくれて、全身があたたかくて、幸せだった。 父が高校生の時から世話をしていたという20cmくらいのミドリガメのカメタロはウミガメくらいに大きくなって、小学校のプールで手をつないで一緒に泳いだり、水中で背中に乗って浦島太郎ごっこをした、目覚めるのが惜しいくらいに楽しかった夢。 大好きな祖父母と遊園地に行った日、ジェットコースターに乗りたかったのに私の身長が足りなくて乗れず、それでも乗りたいと泣いて駄々を捏ねたその日、身長も年齢も関係なくみんなが楽しく乗れるジェットコースターに私も祖父母も笑顔で乗る夢を見た。 あたたかくて幸せで、大好きだったチィちゃんもカメタロも祖父母も、それから凛も、死んだ途端私の夢に一切出て来なくなくなった。
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