丸山短歌賞選考会

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北條 ちょっと待った。㉞と同じような作品はこれまでもゴマンと読んできた。㊱に至っては短歌ではない。ミステリーの梗概をみそひともじにして並べただけのシロモノだ。どちらも、新人賞には相応しくない。 韮本 ⑤の作者は、「ことのは賞」を獲られた佐伯胤臣さんに作風が似ていますわね。 北條 佐伯はもっと下手だよ。⑫こそ、「月と撫子」の安斎有紀を髣髴とさせるがね。 韮本 まあ、北條先生。わたくしどもの会誌をよくご覧になってくだすってますこと。ほほほ。 編集部 え、㉞と㊱についてはいかがでしょうか。 あや乃 ㉞は、離婚し、一人娘を育てているお母さんの一連です。よくある母子家庭の、生活に疲れてじめっとした感じは微塵もなく、全体を明るいトーンでまとめているところに好感を持ちました。 北條 「『お花さん、ひやけするから』向日葵に帽子を乗せて美咲ふり向く」。こんなのは俵万智だけで十分だ。 韮本 あら、俵万智はもっと上手いですよ。俵万智はさらっと詠んでいるようで、高度なテクニックを駆使しています。わたくしも、この作品の明るさに未来を感じました。この作品が受賞すれば、一人親家庭へのエールになると思います。
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