丸山短歌賞選考会

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編集部 それについては、申し訳ないのですが、現時点では公表できません。 あや乃 北條さん、結社とかもう意味がない時代になっているんですよ。一冊1,300円の歌誌なんて、一般の誰が買うもんですか。 北條 お嬢さん。そう仰るけどね、年寄りはインターネットを使えない者が多いんだよ。私も、改革をしてネット運営に切り替えようと何度も試みた。だが、大半が70を超える会員たちの大反対にあって、諦めた。短歌の未来のためには若者を大事にしなければいけないが、金を持ってる年寄りを邪険にするわけにもいかんのだよ。私のところでは今でも、毎月の歌を専用の原稿用紙に清書し、2枚にわたる場合は糊付してひとつにまとめ、郵送してもらっている。編集所は、私の家なんだが、その用紙の処分が大変なんだよ……。だから、佐伯くんが受賞してくれたら、若い会員が入り、「ことのは」の改革に大いに繋がるだろう。 河野 言っちゃってますね。 編集部 ⑫についてはいかがでしょうか。 韮本 「三月の窓を開けば一人居の卓に留れる羽虫のたぐひ」。日々の暮らしを丁寧に詠んでいます。自らの細やかな感情を、小さな生き物に託している。すぐれた、鋭敏な感覚の持ち主だと思います。 北條 腐るほどある、独身女の日常を並べただけのものだ。ま、その中でも水準は高いほうだけれど。
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