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夏にも春はくるものでして…
あぁ、空がきれいだなぁ。
8月だなんて、もう学生はバケーションじゃん?なんで私はいま学校に向かってるの?
我が校名物、清涼ヶ山坂という名の急な坂をわたしは全速力で駆け上がっていく。
夏だからという理由とイメチェンを兼ねて、長くてクルクルでツインテールにしていた髪をバッサリと切り、軽くなった髪の毛を揺らす。
汗で髪の毛が首にひっついて少し気持ち悪いや。
でもそんなの気にしてらんない、いま私は急いでいるのだ。
ち、ちこくだぁ!!!
部活で大事な話があるからってわざわざ学校にまで集合かけなくたって良いじゃんか!
なーんて文句言っても言い訳に過ぎない…。
さあ、はしれはしれ〜!!
「うぉりゃァァァ!!!!!」
ダァアァン!!!
道場破りのように部室のドアを開け放つ。
「ごめんなさい!遅れました!!」
…皆が目を丸くして見ていた。
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