プロローグ

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プロローグ

 「おじいちゃん!」 活発な八歳くらいの女の子が、エルナと呼ばれる村の入り口で初老の男性に声をかけた。  「おお!マナリーか!」  「うん!遊びに来たよ!ライアおじいちゃん!」 彼女はライアと呼んだ初老の男性と手を繋ぐ。  「オルウェイト家の生活はどうだ?」 ライアはマナリーに手を引かれながら聞いた。  「うーん…面白くない…」  「どうして?」  「パパは口うるさいし…ママはパパの言うことに逆らえないし…」 マナリーの言葉に、ライアは顔をしかめて考える。  「楽しいことは無いのか?」  「うーんと…ママと戦いの勉強するのは楽しいよ!」  「ミランとか?」  「うん!」  「またどうして戦いの勉強を?」  「嫌な予感がするって…」  「嫌な…?」 嫌な予感と聞いて、よりいっそう顔をしかめた。  「ミランはそれ以外何か言ってたか?」  「わからない…ママは嫌な予感がするって言ってただけだから…」 マナリーはとある家の手前で立ち止まる。  「おじいちゃん!着いたよ!」  「あ、あぁ…」 ライアは思い出したかのように考え事を止め、家の玄関を開けた。  「レシェルおばあちゃん!ただいま!」  「あら?マナリー!お帰り!」 銀髪で髪の長い、初老の女性がマナリーに微笑んで言う。  「おやマナリー?少し魔力が上がったかい?」  「そうなの?」  「ミランが言ってなかったのかい?」  「そんなことを言ってたような気がするけど…」 レシェルの言葉にライアが反応する。  「レシェル…知ってたのか?」  「知ってるもなにも…マナリーの魔力が一年ごとに増えてたらわかるでしょ?」 ライアは頭を掻いてばつの悪い顔をする。  「まったく…貴方は昔から鈍感ですからねぇ…」 ライアは、ごもっともと言う顔で苦笑した。  「そうだ!マナリーに良いものをあげよう!」  「良いもの?」 ライアは一度家の奥に姿を消し、少しして青色の本を持ってきた。  「おじいちゃん…これは?」  「スピカ族に代々受け継がれてきた…魔道書だよ!」  「魔道書…私にこれを?」  「あぁ…ライガに渡そうとしたが拒否されてな…それ以来ミランにも渡しそびれていたんだ」
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