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ライアはマナリーに、魔道書を渡して微笑んだ。
「次に受け継ぐ時は…マナリーが大人になって、お母さんになった時…だな…」
「私が…お母さんに?」
「あぁ…そのうちマナリーにも分かる時が来るさ!」
マナリーは困惑の表情をしながらも、魔道書を大事に抱えている。
「もし、受け継ぐ者が居なければ…」
「居なければ?」
「その魔道書を燃やして欲しい」
「燃やす?何で?」
燃やすと聞き、マナリーは余計困惑した。
「その魔道書にも“受け継ぐ者無ければ破棄すべし…一族の力を他に渡してはならぬ”と、書いてあるからな」
「破棄…他に渡してはならぬ…」
「その本にはスピカの知恵や力が眠っているからな…」
そう言って、ライアはマナリーの頭を撫でる。
「さて!もうすぐ夕食だ!」
「今日はマナリーの大好物!クリームシチューよ!」
「やったー!」
マナリーははしゃいで、魔道書を抱えながらテーブルを何周も回った。
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