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思った通り、一日(厳密に言えば十ニ時間ほど)でエルミナの南門に着いた。
辺りはもう日が落ち始め、民間の馬車は見当たらない。
「さて…ここでお別れだな!」
「そうね」
彼女は微笑して俺を見つめた。
「シュウ君はこれからどうするの?」
「今日は宿を取って、明日レイド王に謁見するつもり」
「どうして?」
「うーん…」
俺は少し考えたが、説明するのが面倒臭くなった。
「まぁ、色々有るんだよ」
「ふーん…」
彼女は全く納得して無いようだが、納得した素振りで言う。
「じゃあな!」
「また…また会える?」
「縁があれば…また!」
俺は微笑んで彼女に手を振り、門の兵士と話をしてから門をくぐる。
「へぇ…」
門をくぐって直ぐ、活気のある通りに出たので驚き、感心した。
「宿屋…宿屋…あった!」
門から二百メールほどの所に宿屋が有ったため、中に入って手続きをして、鍵を受け取り部屋に入った。
「しかし…ここの宿賃安いなぁ…」
手続きの時に先払いをしたのだが、二百シルバーとは驚きの価格である。
普通一泊六百シルバーはするはずだが…と考えながら、腰に下げている剣と右腰に下げている、青色の魔道書を外して床に置いてベッドにダイブした。
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